2021.09.03
2021/9/3 西武HD第1四半期決算、スポーツ業の収益が約3倍増
㈱西武ホールディングス(後藤高志社長)は8月2日、2022年3月期第1四半期決算短信(連結)を発表した。
それによると、2022年3月期第1四半期(2021年4月1日~6月30日)は新型コロナウイルス感染症流行やそれに伴う緊急事態宣言の発出などにより引き続き厳しい事業環境下にあるものの、休業した施設数の減少に加え、コロナ禍におけるお客のニーズに合わせたサービス提供も寄与し、営業収益が917億63百万円で前年同期に比べ254億21百万円、38・3%の増加になったとしている。営業損失は、役員報酬や従業員賞与の減額、さらには固定費削減につながる取組も寄与し59億95百万円と前年同期に比べ116億77百万円の改善。経常損失は77億68百万円で前年同期比115億38百万円の改善、親会社株主に帰属する四半期純損失は88億71百万円と前年同期に比べ198億69百万円の改善だった。
営業収益のセグメント別では、「建設事業」でマイナスとなった以外は前年同期を上回っており、ゴルフ場運営を含む「ホテル・レジャー事業」は238億91百万円で前年同期比84・5%の大幅増加となっている。昨年は新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の発出によりホテル、ゴルフ場、レジャー施設等が臨時休業し、同宣言が解除されて営業再開した後も利用客が伸び悩んでいた。しかし今年は一進一退する感染状況や緊急事態宣言の発出などもあり、引き続き厳しい事業環境となったが、休業した施設数の減少によりホテルやゴルフ場での利用客増加、営業内容の機動的な変更や業務の内製化などにより効率的なオペレーションを追求し、前年同期を上回ったとしている。「ホテル・レジャー事業」のうちゴルフ場業を含む「スポーツ業」の営業収益は35億51百万円で、前年同期に比べ23億40百万円、193・5%のプラスになったとしている。
西武グループでは、〝アフターコロナの社会における目指す姿を見据え、コロナショックを乗り越え、飛躍への道筋をつける。〟をテーマに、2023年度を最終年度とする3カ年の「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」を策定し、「経営改革」、「デジタル経営」、「サステナビリティ」の3点を骨子とした取組を進めている。
経営改革については①アセットライトな事業運営、②損益分岐点の引下げ、③ニューノーマルに合わせたサービス変革--をテーマとし、中でもアセットライトな事業運営ではすべての事業・資産について売却や流動化か継続保有かの峻別を聖域なく進めるとしている。ザ・プリンスパークタワー東京や札幌プリンスホテル、びわ湖大津プリンスホテルなど約10のホテルや、ゴルフ場、スキー場といったレジャー施設40カ所程度とされ、売却額は1000億円を超える規模とみられている。ゴルフ場に関しては年内を目処に資産流動化を進め、売却後も同グループが運営受託するという。