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2021.09.21
2021/9/21 動態統計4~6月、ゴルフ場は売上高50・6%増に

経済産業省は8月18日に「特定サービス産業動態統計」の令和3年6月分の集計確報を発表した。ゴルフ場は昨年7月から調査対象の見直しを行ったことから前年データとの不連続が生じているが、同省が調整して発表した前年比では利用者数は一昨年並みに回復したことがわかった。
6月のゴルフ場(経済産業局所在の8都道府県のゴルフ場)利用者数は94万7986人で前年同月比18・0%の増加、売上高は82億27百万円で前年同月比25・7%の大幅増加となり、利用者数、売上高とも今年2月から5カ月続けての増加となった。

これで4~6月は利用者数33・6%増、売上高50・6%増で1~3月の利用者数3・0%増、売上高0・9%増と比べても回復度合いが強くなっている印象がある。もっとも昨年は新型コロナウイルス拡大の影響により、売上高で見ても4月に48・2%減、5月に45・3%減、6月に34・1%減と大幅に減少。この反動で今年4月84・2%増、5月54・2%増、そして6月は25・7%増となったもの。利用者数に比べて売上高の増加率が高いのはそれだけ昨年の初期の緊急事態宣言の頃は警戒感と3密回避から飲食等が落ち込んでいたもので、一昨年同期と比べると増加率ほどは回復していない。
6月の動態統計調査を詳しくみると内訳は、利用料金収入が平日で32・1%増、土・日祝日で22・3%増。その他売上高では食堂・売店(直営)が20・7%増(前年同期は41・5%減)、キャディフィ21・7%増(32・9%減)と戻りきっていない。利用者数は平日で会員14・4%増(4・5%増)、非会員23・4%増(26・1%減)、土・日祝日は会員7・5%増(4・9%減)、非会員17・2%増(35・4%減)となり、非会員の利用増が売上面で貢献した。

6月の18ホール換算は、利用者数17・8%増、売上高24・0%増。客単価(1人当たり利用額)は8691円となり、前年同月比は5・3%の増加となった。1日当たりの利用者数は18・6%増の122・8人と回復した。
一方、6月のゴルフ練習場は、売上高が前年同月比18・4%増(7・9%減)、利用者数は土・日祝日で17・5%増(22・8%減)、トータルでは15・2%増(3・3%減)と前年減を大きく上回る好調さだ。これで利用者数は12カ月連続増加、売上高でも9カ月連続増で昨年9月の0・2%減を除けば利用者数と同じく12カ月連続となったところで極めて順調と、特需状態が続いている。

6月の対個人サービス業の売上高は、ボウリング場が12・4%減(50・1%減)となった以外は10業種中9業種で増加。結婚式場業の606・4%増(92・9%減)、遊園地・テーマパークの441・7%増(94・1%減)、フィットネスクラブの42・0%増(49・2%減)、ゴルフ場の25・7%増(34・1%減)と、増加率では練習場を上回るサービスはあったものの前年実績を見れば練習場の好調さが際立つ。パチンコホールは4・2%増だったが、前年同月は31・7%減だった。

ゴルフ場は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のための緊急事態宣言やまん延防止等重点措置により酒類の提供が制限される地域が増えるなど飲食面での売上はまだ回復途上にあるが、利用者数の堅調さと練習場の活況は心強いところだ。

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※「ゴルフ特信」第6694号より一部抜粋

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