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2021.10.03
2021/10/3 石垣島(沖縄)のリゾート開発計画に県が同意

㈱ユニマットプレシャス(髙橋洋二代表取締役、東京都港区)が、石垣島の前勢岳北方に計画しているゴルフ場付きリゾート開発計画「石垣リゾート&コミュニティ」(仮称)の開発に関して、石垣市の地域未来投資促進法に基づく土地利用調整計画に8月30日付けで県が同意したことがわかり、石垣市の中山義隆市長が9月1日に市役所で地元経済5団体とともに記者会見したことが地元新聞各紙で報じられた。
市長は「事業着工のめどがついた。アフターコロナの観光の目玉」として期待していると述べた。同市長は、新石垣空港の建設に伴い全日空グループの石垣島GC(18ホール)が2006年8月末で閉鎖となったことで、「新空港建設に伴い唯一のチャンピオンコースが閉鎖された。ゴルフ場は八重山全体の観光・経済に好影響を与える」として、今回のゴルフ場計画に全面的に協力すると強調したという。

同リゾート計画の昨年9月の環境影響評価準備書では、事業面積は127・4万平方メートルで、うちゴルフコース23・96万平方メートル(対象面積比18・8%、全長7308ヤード、パー72)、建物4・90万平方メートル、道路7・15万平方メートル、調整池5・25万平方メートル、その他(樹林地)86・16万平方メートルと、残置森林を多く残す(残置森林率83・39%)。またゴルフ場関連でクラブハウス1棟、ゴルフ教室棟1棟(66室)を整備。ゴルフ場利用者数は年間4万人程度を見込んでいる。宿泊施設はホテル10階建て1棟(120室)、9階建て1棟(100室)、5階建て2棟(61室、60室)、レジデンス5階建て2棟(60室2棟)、戸建てヴィラ(1階建て)58棟などをフェアウェイフロントのごとくホール脇に多数整備する計画となっている。
建設のための許認可に向けては、農振除外や農地転用などが現行法上極めて困難となっているため、最大の課題となっていた。市は地域未来投資促進法の特例措置を活用して同開発を実現しようと昨年9月25日に県と作成した基本計画について国から同意を得て、今年5月14日付で土地利用調整計画の同意を求めて県に提出していたという。解釈の違いで遅れが生じたと報道されたが今回、県がそれに同意したことから、残り手続きは個別法の本申請のみとなり、着工の体制が整うことになる。もっとも自然環境の保護に関して知事からの意見も多く、市でも環境保護団体の意見も聞きながら前進したいと答えたという。農地を転用する計画については、開発に伴い島内で減少する農地の比率(0・8~0・9%減)や営農の影響は年間4億8000万円と見込まれるが同リゾートの経済効果は237~268億円の見込みと例示したという。

当のユニマットプレシャスでは、準備書段階で2021年内の着工、2023年のオープンを当初の目標としていたが、手続きが延びたことやコース設計など詳細を詰める作業はこれからとコロナ下もあり、慎重に取り組んでいるようで、まだ具体的な日程は立てられないとしている。
いずれにしても許認可手続き上は大きな前進だったようだ。

関連記事:2020/2/11 石垣島の新規開発ゴルフ場、9月の着工にめどと

※「ゴルフ特信」第6699号より一部抜粋

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