2021.12.30
2021/12/30 全国営業中ゴルフ場数は2144コースに
営業中ゴルフ場は2144コースを数え、昨年同期比9コース減となった。減少率は0・42%減で前年の0・74%減と比べやや低くなり、ここ5年間は1%を下回る減少率となっている。
営業中ゴルフ場数が最大だった平成16年の2356コースと比較すると212コース、率にして9・0%の減少となっている。平成20(2008)年以降14年連続の減少で、特に東日本大震災以降では営業中ゴルフ場数が193コース少なくなった。
都道府県別では千葉県158コース、兵庫県152コース、北海道144コースで栃木県118コース、茨城県113コースまでが100コースを超えた。ゴルフ場数最少は島根県の8コースで唯一、ひと桁だった。
既設ゴルフ場数は令和3年11月中旬調査段階で2202コースあり、うち全国で57コースが暫定閉鎖中となっている。この暫定閉鎖は昨年同期から7コース減少した。閉鎖後5年間経過したり、事業廃止となったゴルフ場などを〝既設ゴルフ場〟のカウントから外しており、これら営業の復活がなくなった19コース(東日本14コース、西日本5コース)のゴルフ場を令和3年末で既設ゴルフ場から外すことにした。
これら19コースのうち18コースはコース閉鎖後5年が経過したもの。一部メガソーラーへ転用されたゴルフ場もあった。また群馬県営の上武G場は令和元年10月の台風10号の影響で閉鎖したが、復旧見込みがなく運営事業者が継続を断念し、3年3月19日をもって廃止となった。既設から外したゴルフ場は別途掲載するが、都道府県別では群馬県が4コースで最多となり、以下は宮城3コース、福島・栃木2コース、北海道・岩手・茨城・岡山・広島・鹿児島1コースとなっている。
また暫定閉鎖57コースの都道府県別は北海道・福島・栃木7コース、兵庫・岡山5コース、群馬4コース、茨城・千葉・新潟・長野・山口3コース、埼玉・三重・和歌山・広島・島根・大分・宮崎1コースとなっており、東日本や一部県に集中している。この1年間では10コースが新たに閉鎖し、北海道3コース、福島・長野2コース、栃木・群馬・千葉・広島1コースとやはり東日本中心だ。
千葉県の市原GC市原コースはクラブハウス建て替えのため一時閉鎖したもので、この3月には新クラブハウスで営業再開する予定。北海道の新札幌ワシントンGCは事業主が交代しており、新事業主が営業再開の準備をしていることから新年度に営業再開する可能性もある。
その他、令和3年12月一杯でゴルフ場の営業を終了すると案内しているコースもある。
湯布院CCレークサイドコース(大分)は利用者減と施設老朽化による大規模改修の必要性からゴルフ場の閉鎖を決定。親会社の九州電力では周辺で地熱発電を行っている関係から地熱発電での利用可能性の調査を開始した。
太白CC秋保コース(宮城)は親会社がゴルフ場をメガソーラー化する環境アセスメントを実施しており、それが通ればゴルフ場の営業終了となる見込み。この親会社は伊豆スカイラインCC(静岡)の親会社でもあり、伊豆の方は1月にゴルフ場をいったん閉鎖したもののメガソーラー計画は9H分しか進められない計画のようで、8月から9Hでのゴルフ場営業を再開している。
オリオン嵐山GC(沖縄)は、大阪のテーマパークのUSJを成功させたマーケッターが手掛けるテーマパークへの転用が決まっており、この3月末までのゴルフ場営業となるようだ。
千葉県では大林組系のパブリックコースであるデイスターGCが3年12月30日をもって営業終了する。大林組では営業終了後売却することを明らかにしており、ゴルフ場営業は買受先次第だが、プライベートコースとして運営されるのではないかとの話もある。ちなみに、同じ千葉県で閉鎖中の旧・カナリヤガーデンCCもプライベートコースとして運営されるとの噂があり、注目されるところだ。
その他、初心者用ゴルフコースとして運営を開始した栃木県の那須ハイランドGCは、その後プライベートコース運営に転換も令和2年に新型コロナで営業休止、3年はコナミスポーツのラウンドレッスンのみで営業している。
昭和の森Gコース(東京)はすでに資産を売却済みで買受先が物流基地への転用を計画中。通販で世界的に知られる企業が利用するとの噂もある。西神戸ゴルフ場(兵庫)は所有している神戸市が物流基地への転用を計画。またともに来年内外で閉鎖となる可能性もあるようだ。
河川敷ゴルフ場では荒川で国の治水計画による荒川第二・第三調節池整備が進んでおり、その関係でノーザンCC錦ケ原コースは3年9月に43Hから25Hにコース規模が縮小、今後大宮国際CC、大宮CC、川越グリーンクロスも規模縮小等の影響があるそうだ。
また奈良県では県の防災拠点整備構想にゴルフ場用地が組み込まれ、当該のゴルフ場は困惑気味。成田空港滑走路拡張で協力を要請されているゴルフ場もあり、ゴルフ場需給関係以外でのゴルフ場閉鎖懸念も一部には生まれているところだ。