2022.01.06
2022/1/6 参加者増でゴルフウェアの市場規模見込みが増加と好調
㈱矢野経済研究所(水越孝代表取締役社長)は7日、ゴルフウェアを含む「スポーツアパレル市場に関する調査」を実施、市場規模や流通の動向、将来展望を明らかにした。
同調査は今年8~11月、スポーツ関連企業(メーカー/サプライヤー・卸売業・小売業)を対象に、同社専門研究員による直接面接(オンライン含む)、電話、メールによるヒヤリング、郵送アンケートで実施している。
それによると、2021年のスポーツアパレルの国内市場規模は、メーカー出荷金額ベースで前年比9・7%増の5350億円になる見込みという。2020年はコロナ禍の影響で小売店舗の休業や営業時間短縮を余儀なくされた。小売業各社から発注キャンセルの依頼が相次ぐ一方、メーカー側の商品出荷の自重もあって、店頭販売不振のなかでも流通在庫が大幅に削減された。2021年はこの流通在庫削減によって商品仕入れの余地が広がったことから、一定の回復を果たし、出荷金額増加の見込みになっているとしている。ただ、2021年の見込みはコロナ前の2019年と比較すると4・8%のマイナス成長となっており「スポーツアパレル市場が本格的に回復しているとは言えない」(矢野経済研究所)としている。
一方、スポーツアパレルのカテゴリーのうちゴルフウェアの2021年市場規模見込みについてみると、出荷金額は910億円(構成比17・0%)でトレーニングウェア1278億60百万円(23・9%)、アウトドアウェア1180億円(22・1%)に次いで3番目、前年との伸び率では14・6%増でライフスタイルウェア(14・8%増)に次ぎ2番目の高さとなっている。また、2019年との比較では0・1%増となり、わずかだが全12カテゴリーで唯一コロナ前の水準を上回る見込みとなっている。
ゴルフは、いわゆる「三密」にあたらない屋外型のアクティビティとして認知されており、若年齢層を中心に新規参入ゴルファーが増加、特に秋のゴルフシーズンに入ってからの土日は人気の高いゴルフ場の予約がなかなか取れないなど活況を呈している。一方で、小売店では2021年春夏物の在庫切れによる売り逃しが多発、また主要生産国の一つであるベトナムでの工場が稼働停止となり秋冬物の商品が生産中止となるケースも多くなっているという。このように供給不足に悩まされている面もあるものの、コロナ禍を背景とした参加者増によって、ゴルフウェア市場は他のカテゴリーと比較して好調に推移している、と矢野経済研究所は分析している。
また、スポーツアパレル市場の将来展望だが、2022年のメーカー出荷金額ベースで前年比3・2%増の5521億90百万円と予測しているが、少子化の影響で人気スポーツを中心として特に若年齢層の競技人口減少が進んでいるとみられ、「スポーツアパレル国内出荷市場全体として2020年は上回るものの、2019年の規模にまでは戻らない見通し」(矢野経済研究所)とまとめている。
なお、同社ではこれら調査を詳細にまとめた『2022年版スポーツアパレル市場動向調査』を16万5000円(税込)で販売している。