2022.03.08
2022/3/8 ㈱平和の第3四半期決算、大幅な増収増益も予想下回る
ゴルフ事業のパシフィックゴルフマネージメント㈱(PGM、田中耕太郎社長、東京都台東区)を完全子会社とする㈱平和(嶺井勝也社長、同)は2月9日に、2022年3月期第3四半期決算(2021年4月~21年12月)の連結業績を発表した。
同期の売上高は923億76百万円(前年同期比21・4%増)で、営業利益が99億57百万円(437・1%増)、経常利益が98億76百万円(313・6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が46億04百万円(25億28百万円の損失)と大幅な増収増益となった。
定性的情報として、緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が解除された10月以降、対面サービス業を中心に景況感が回復しているものの、製造業を中心とした業況は、半導体をはじめとする電子部品不足の深刻化や原材料価格の高騰などが下押し要因となり、改善ペースは鈍化している状況を説明。遊技機業界において新台需要が高まることを想定していたが世界的な電子部品不足の深刻化が影響し、新規則機の供給が十分にできなかったことから22年1月14日付けで連結業績予想を下方修正し、通期予想は売上高1206億円(11・9%増)、営業利益90億円(69・4%増)、経常利益87億円(50・0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益14億円(61・8%増)としている。
第3四半期までの遊技機事業は前年同期と比較して販売台数が増加し、売上高244億82百万円(34・1%増)、営業損失16億66百万円(前年同期は営業損失39億99百万円)となっている。
一方ゴルフ事業においては、第2四半期までは西日本側で長梅雨やお盆期間での台風等による降雨、またコンペ需要等の減少で売上高が伸び悩んだが、緊急事態宣言等が解除された10月以降、アルコール提供などコロナ禍以前のサービスが可能となり、天候にも恵まれおおむね好調に推移し、顧客単価の回復傾向、新規取得ゴルフ場の運営開始などで、売上高678億93百万円(17・4%増)、営業利益134億05百万円(70・5%増)と回復しているという。第3四半期累計の来場者数は13・3%増の695・7万人(前年同期614・3万人、20年3月同期646・5万人)とコロナ禍前も上回るが、顧客単価は主にF&B(飲食)の伸び悩みで5・9%増の8815円(8324円、9248円)にとどまっており、第3四半期は9422円(9100円、9601円)まで回復しているという。
決算資料にまとめた市場動向は、来場者数は前々期と比較して増加傾向にあるも顧客単価は前々期の水準には当面戻らない見通し、ビジターよりも予約が取りやすく、プレー料金もお得な会員権の販売が好調に推移すると報告。同社施策としては①需給に応じた価格コントロールを行い、無駄な値引きを抑える、②会員の若返りを含め、引き続き会員権を積極的に販売、③商品価値向上のため、カートナビの導入を今期中にほぼ全ゴルフ場に完了と報告している。
なお、遊技機事業において前記の影響があるとして、1月14日付けで希望退職制度の募集を実施。激変する事業環境に対応していくため遊技機事業に係る子会社に在籍する22年3月31日時点で40歳以上59歳以下の正社員を対象に250名の希望者を募る(2月18日まで)としている。