2022.05.19
2022/5/19 星野リゾート、温泉旅館等の運営施設を続々開業
国内外で56の宿泊施設を運営する星野リゾート(長野県佐久郡軽井沢町)は、4月13日に開いたオンライン記者会見で今年度開業済みを含めて10施設を開業すると発表した。また星野佳路代表が観光事業の取り組みや業況、脱プラに向けてのホテル業界への提言を行った。
22年に開業するのは、温泉旅館「界」を8月に「由布院」(大分)、11月に「雲仙」(長崎)と「出雲」(島根)、「玉造」(同)はリニューアルする。また都市観光ホテル「OMO(おも)」は、4月に「OMO7(おもせぶん)大阪」、5月に「OMO5(おもふぁいぶ)金沢片町」を開業。ルーズに過ごすホテル「BEB(ベブ)」には従来の軽井沢、土浦の他に7月に沖縄で新たな施設が加わる予定としている。
同社はアフターコロナの取組みとして、いくつかのスモールマスをターゲットにした施策を始めたという。
①北海道民に向けてセイコーマートのセコマカードとの提携、②OMOのビジネス利用のため従来のワーケーションプランに加えて、個室のワークルームの設置と、フレキシブルオフィスを展開するWeWork Japanとの連携、③OMOのビジネスセグメントに「OMOポイント」を開始、④「旅のサブスク」サービスを展開するHafH(ハフ)とのOMO、BEBとの提携、⑤シニアマーケット向けに温泉旅館「温泉めぐり 界の定期券」を先着100組限定で販売――とした。
⑤のシニアマーケットに関しては、日本の旅需要の中心であった団塊の世代に関して、全員が後期高齢者入りする2025年問題で旅行参加率が自然と落ちてくる、大きな危機感を持たざるを得ないとして、社内で検討し「界」の70代利用客を対象にインタビューを行ったところ、旅の計画や予約が負担と感じていることがわかり、全国の「界」18施設を年間12回利用できる定期券を発売する実験に取り組むとした。
一方で4月1日にプラスチック資源循環促進法(プラ新法)が施行されたが、これを機に日本のホテル業界も変革しようと業界に提案を行った。
同社は千人以上に行ったアメニティ調査の結果を報告。また「プラスチック削減を目的にこれまでの無償のアメニティを廃止して、質の良いものを必要な方に手頃な価格で提供するホテルになりましたとお客様に提案し、一切アメニティを置かない場合も含めて調査したところ提案にネガティブな反応は少なく、実施できる段階にきた」とし、海外では少ない歯ブラシなど無償アメニティの廃止を全国のホテルに提案し、業界みんなでやろうと呼び掛けた。
ちなみにオンワード ビーチ リゾート グアムの株式を3月に取得し、アメリカで2号目のホテル運営(同地の2ゴルフ場は従来のまま)に乗り出すことも公表した。
なお、各メディア記者からマイクロツーリズムやインバウンド、GoTo等に関する質問が寄せられ、星野代表が自説を述べた。今年、開業ラッシュとなった背景にはコロナ禍でオーナー、開発会社からの引き合いが増えたためとした。詳しくは月刊ゴルフマネジメント6月号で紹介する。