2022.10.12
2022/10/12 R&Aの「ゴルフと健康」、JGAが会報誌で紹介
日本ゴルフ協会(JGA)は、「JGAゴルフジャーナル」AUG.2022 Vol.111で池谷正成新会長のインタビュー、R&Aが20年10月に発行した「ゴルフと健康」をテーマとした報告書についてR&Aアジアパシフィックディレクターのドミニク・ウォール氏へインタビューを行っている。
R&Aが「ゴルフと健康」をテーマにしたのは、世界的に危惧されている運動不足による健康衰退から、高齢の参加者がゴルフをすることの健康上のメリットを明らかにするためだったという。一般、 医療従事者、政治家が水泳、サイクリング、テニスなどのスポーツが健康に良い認識を持っているのは知られているが、ゴルフは健康に良い認識があまり受け入れられておらず、また、それを裏付ける医学的、科学的研究が十分ではなかったからだという。
そこでR&Aはワールドゴルフ財団のパートナー(DPワールドツアー、USGA、PGA of America、LPGA、Augusta National Golf Clubなど) と共に、ゴルフの健康効果に関する研究者のために資金提供やその他の共同作業を行った。世界保健機関(WHO)が、世界の多くの地域で運動不足に関連する疾病がまん延していることから、スポーツによる行動を呼びかけたことも一因だった。
研究はアンドリュー・マレイ博士 (エジンバラ大学、 現・DPワールドツアーCMO R&Aメディカル&サイエンティフィックアドバイザー) とロジャー・ホークス博士 (元・DPワールドツアーCMO) が主導した。
マレイ博士は、世界有数のスポーツ医学専門誌British Journal of Sports Medicine に、ゴルフとウェルビーイングに関する5000件の研究を調査したスコープレビューなど多くの科学論文を発表。そのレビューは、ゴルファーは長生きする (非ゴルファーより5年長い)、ゴルフは多くの慢性疾患の予防に役立つ、メンタルへルスを改善し、社会的ウェルビーイングを高めることができると強調した。
これとは別に、R&Aはサウサンプトン大学と南カリフォルニア大学の体力とバランスに関する研究にも資金を提供。ゴルフは筋力とバランスの向上という形で、高齢の参加者に大きな健康上の利益をもたらすことが明らかになったという。
他に、メンタルヘルスと健康、怪我と怪我の予防、障害を持つゴルファー、身体的準備、スポーツ科学と栄養など、さまざまなテーマで世界各地にて研究・協力が行われているという。
この「ゴルフと健康」の報告書を見て、イギリスの36%の人がゴルフを行う回数が増加したと回答、ゴルフをやったことのない人のうち15%がやってみようと思ったという。
ドミニク氏は今年5月の来日時に、スポーツ庁を訪問。日本は世界一の高齢者大国で、高齢者がゴルフをすることは大きなメリットがある。スポーツ庁がゴルフと健康のメリットを伝えるためには、高齢者だけではなく国民全体に向けたメッセージを発信すべきと伝えたという。
ちなみにウェールズでは、ゴルフと健康キャンペーンのパイロット版を実施中で教材の展開も検討中という。市場調査はイギリス、カナダ、スウェーデン、韓国で実施したとしている。