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2022.10.31
2022/10/31 スポーツ庁、ゴルフ場利用税の見直し等要望せず

8月末に各省庁が令和5年度予算の概算要求や税制改正要望を公表したが、令和5年度に向けて文部科学省は例年盛り込んでいたゴルフ場利用税の廃止や見直し等の税制改正要望を盛り込まなかった。
スポーツ庁は昨年度、文部科学省の令和4年度税制改正要望として、「ゴルフ場利用税のあり方の見直し」を総務省に提出した。要望内容は、〝スポーツを行う際に、唯一ゴルフのみに課税されている「ゴルフ場利用税」について、その在り方を見直すことが必要〟とし、以前のようにスポーツへの課税や二重課税を論拠にゴルフ場利用税の廃止を強硬に求めるのではなく、地方の財源にも配慮した、見直しの協議を提案する内容であった。
もっとも、年末の与党「令和4年度与党税制改正大綱」の論議では具体的に明示した要求がなかったことから、論議されたかも明らかにされないまま却下されていた。

日本ゴルフ協会(JGA)では、昨年4月の定款変更により、ゴルフ振興・育成事業にも取り組むこととしており、今年度に向こう5年間の中期計画を策定したことで、ゴルフ場利用税問題は並行して取り組むものの、喫緊の課題ではなくなったようだ。
スポーツ庁では、地方財政の問題とかも考慮し、ゴルフ団体が利用税廃止一辺倒ではなく、ゴルフ振興にも取り組む意向を考慮し、5年度の税制改正要望にもゴルフ場利用税の問題を盛り込まなかったという。
また概算要求の中に「ゴルフ」の文字が見当たらないのは、どうしても〝ゴルフは高所得者の趣味〟というイメージが強いらしく、スポーツとしてのゴルフを支援する施策を打てなかったためだという。今後はゴルフ界が健康とゴルフの推進や地方創生への活用に期待していることも考慮し、例えばスナッグゴルフでの競技者数向上や、健康とゴルフに関してR&Aが行っている研究でエビデンスが得られればスポーツの中でゴルフの振興を推し進めるような予算取りも行っていきたいとしている。とにかく、「ゴルフ」はまだ単独でスポーツ庁が予算を組めるスポーツとしての認識が得られていないため、ゴルフ場利用税だけで扱われる〝ゴルフ〟からの脱却も必要となってくるだろう。

関連記事:2022/1/11 令和4年度与党税制改正大綱、ゴルフ場利用税は〝スルー〟

※「ゴルフ特信」第6843号より一部抜粋

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