一季出版株式会社

2022.12.21
2022/12/21 3つの統計調査によるゴルフ関係参加人口比較

「レジャー白書2022」(公益財団法人・日本生産性本部の余暇創研)の調査結果により、ゴルフ関係の他の調査結果との比較を行いたい。
今回の調査結果は、ゴルフコース参加率が5・7%となり、スポーツ庁の「令和3年度スポーツの実施状況等に関する世論調査」(今年2月発表)によるゴルフコース参加率6・2%(男性10・4%、女性1・9%)、総務省の「令和3年社会生活基本調査」(今年8月発表、6840号等)のゴルフ(練習場含む)行動者率6・9%よりも低い数値となった。ただし、活動回数が年17・2回で15・4%増加したことにより、実勢より低いとは言えない数値だ。560万人が年平均17・2回プレーすると9632万人の利用者を数えるためだ。

一般社団法人・日本ゴルフ場経営者協会(NGK)は、2021年のゴルフ場利用税に基づく全国都道府県延べゴルフ場利用者数は9千万人相当を記録し、1施設当たりで約4万人に回復したという。この延べ利用者数は2008年リーマンショック前まで回復するもので、さらに1施設当たりでは平成10年ごろまで回復し、バブル崩壊以降の右肩下がりで、停滞した状況に終止符を打つ勢いだ。しかも、560万人には80代の集計されていない推定86万人の市場も隠れているので、プレー回数が増える高齢者が増えることは業界全体としても心強い。
また、レジャー白書の発表では、好調な余暇と低迷が続く余暇を前頁の分布表で説明したが、デジタルコンテンツ系の強さとともに娯楽としても「読書」を行うなど、一人で学ぶ姿勢やこれまで高齢者の楽しみだった囲碁・将棋、園芸・庭いじりも増加傾向を示した。実は社会生活基本調査で5年前との行動者人口や生活時間の変化を見ていくと、カラオケなど他人との交流時間が減った一方で家事の時間、コーラスや編み物、俳句や小説などの創作活動などが増えた。若者は幅広い種目に時間を割いた中でゴルフに興味を持ち、中高年は仕事関係に時間を割いた。余暇時間ができてもゲームやテレビ視聴ではなく〝学び〟や身の回りの時間が増え、危機意識が続いていることが伺えた。

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※「ゴルフ特信」第6862号より一部抜粋

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