2023.03.05
2023/3/5 日本企業経営の海外ゴルフ場、2コース減の50コース
「日本企業経営の海外ゴルフ場」は、2022年12月初旬段階で既設のみの50コースを数えた。
この1年の間に新規開場・買収はなかったが、売却・撤退等が2コース判明したため前回調査に比べ2コース減少した。前回調査はエイチ・ジェイグループの17コース取得判明によって1991年以来の増加を記録したが、今回再びマイナスに転じている。
今回調査で売却・撤退の判明コースは、ホノルルCC(18ホール、ハワイ州オアフ島)とグアムインターナショナルCC(同、グアム島デデド市)だった。
ホノルルCCは、22年9月1日付けで韓国系とみられるオーナー(会社は「JJKOO HAWAII, Inc」)に交代している。同CCは1977(昭和52)年に日本企業が買収しており、途中経営会社が破産宣告を受けたものの、日本企業(日本人の個人オーナー)による経営が半世紀近く続いていた。過去には日本国内で350万円からバブル時には2500万円もの高額で会員募集を行い、日本人会員も多い。今回のオーナー交代に伴い、会員の処遇に注目が集まる中、当面プレーは継続可能という。預託金証書に関しては協議中とし、詳細が決まり次第会員へ直接書面で連絡する考えのようだ。
グアムインターナショナルCCは、2015(平成27)年にSPC(GICCファンド)が当時経営していたJGMグループからゴルフ場経営会社の全株式を取得した。しかし、同ファンドに関係する日本国内の企業との連絡が今回調査で取れなくなり、詳細不明となったため削除した。
また、計画中ゴルフ場でベトナム唯一の日系資本によるゴルフ場として準備を進めていた「ハイフォン サクラGC」(18ホール計画、ハイフォン市アンラオ県)だが、広報窓口のティアンドケイによると「プロジェクトは既に停止している」という。
一方、日本企業経営の海外ゴルフ場で、現在日本国内で会員募集を実施しているのは、㈱横浜国際ゴルフ倶楽部関連のバンラカットC(18ホール、タイ・サムットプラカーン県)と、平川商事グループのホアカレイCC(同、ハワイ州オアフ島)の2コースとなっている。
バンラカットCは、レギュラーメンバーを856万円で、リミテッドインタナショナルメンバーを385万円でそれぞれ募集している。ホアカレイCCでは、23年1月から個人6万ドル(旧5万ドル)、法人12万ドル(同10万ドル)に金額を改定し募集を継続中だ。
新型コロナウイルスの世界的まん延によって、海外ゴルフ場もコロナ期は隔日の営業やレストラン営業の中止などを余儀なくされ、日本からのゴルフ客もストップしていた。しかし、調査時点ではほぼ通常営業に戻り、昨年10月に日本で海外への渡航規制が緩和されて以降、ハワイやグアムといったリゾートのゴルフ場では日本からのゴルフ客の来場が徐々に増えてきているという。