一季出版株式会社

2023.06.16
2023/6/16 今年は大半がプレー代値上げ、給与は半数で値上げ

月刊ゴルフマネジメント増刊号の「ゴルフ場資材機材年鑑2023」(一季出版から3月31日発行、定価5500円=税込み)では、ゴルフ場予算アンケートを実施しており、その中で新年度の施策として、プレー料金の値上げを大半で予定しており、従業員の給与値上げを予定しているゴルフ場も多いことがわかった。
その調査結果を一部紹介すると「プレー料金の値上げ」が84・6%と前年同期調査の54・5%より30・1ポイントも上昇、「従業員給与の値上げ」は56・9%で前年度の46・8%より10・1P上昇した。これは2021年度に続き、22年度もゴルフ場業績が上昇したことや、電気代を始め、食材、原材料費等の高騰、人材難を解消するため従業員の待遇を改善しようとする志向が高まっているためだ。

では、ゴルフ場業界の業績や平均年収、求人の動向はどうなのか、前年と比較して確認することとする。
「業界動向SERCH.COM」というサイトではゴルフ場業界の2021~2022年における様々なランキング(上位50社)を確認できる。有価証券報告書を提出している82社を集計したとしており、上場の㈱平和が売上高、従業員数等でトップ、平均年収はリソルHDが1位となった。
全業種中の平均年収は総合商社が1331万円で1位、ゴルフ場は348万円で前年同期の337万円より3・3%上昇したが、全体の196位となった。前年は集計した189業種で最下位であり、今回も同様だった。
平均年齢ランキングではゴルフ場は48・6歳で、書店の50・0歳に次ぐ業界全体の2位と上位にランクした。
業界売上規模は、ゴルフ場が1317億円で188位、ラーメン(製造メーカー)1185億円(190位)やカラオケ549億円(195位)より上位だった。
大手系が平和やリソルしか集計できないようで、有価証券報告書を提出しているゴルフ場が地方に多いことからも、ゴルフ場のランクが上がらなかったようだ。

また㈱カカクコムが運営する「求人ボックス」の給料ナビで、ゴルフ場の求人データを3月10日段階で集計すると、次のように説明が入る。ゴルフ場の仕事の平均年収は約360万円。日本の平均年収と比較すると低い傾向にあります。月給で換算すると30万円、初任給は20万円程度が相場のようで、アルバイト・パートや派遣社員では平均時給がそれぞれ984円、1211円(派遣)になるという。
正社員の給料分布でボリュームが多いのは289~351万円の水準で、平均年収の360万円はこのゾーンよりも高い水準に位置すると説明。全体の給与幅は289~786万円と比較的広いため、勤務先や経験・求められるスキルによっても大きな差があると見受けられるとしている。
地域毎の平均年収と時給は、関東が年収360万円、アルバイト1013円、派遣1232円、関西が357万円、ア961円、派1263円、東海342万円、ア966円、派1239円、甲信越・北陸が391万円、ア955円、派1114円、北海道・東北374万円、ア864円、派1102円、九州・沖縄385万円、ア869円、派1106円、中国359万円、ア901円、派1142円、四国368万円、ア888円等で、求人の年収では石川県が455万円で一番高かったという。
これは求人する職種で偏った関係とみられ、支配人は年収で418万円で、全体比16%増となることからこれら職種が求人に含まれると平均が高くなる。勤務先や経験・求められるスキルによっても大きな差があるというように、例えば求人条件でExcelを加えると平均相場も高くなるとのデータも示している。

ちなみに昨年同時期は正社員が平均年収384万円、アルバイト・パートは平均時給945円、派遣社員は平均時給1175円であり、今年の求人年収額は前年を24万円下回るものの、平均時給はそれぞれアップしていることがわかる。ゴルフ場業界の半数で意識している働き方改革をより進めて、従業員の満足度を高める必要がありそうだ。

「ゴルフ特信」第6921号より一部抜粋

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