2023.09.16
2023/9/16 4月家計調査、ゴルフプレー消費旺盛、好循環に
総務省統計局がまとめた2023年4月の「家計調査」(家計収支編)によると、同月の二人以上世帯の世帯収入(勤労者世帯)は前年同月に比べ実質1・4%減少(7カ月連続減少、名目2・6%増加=2カ月振り増加)となり、消費支出は実質4・4%減少(2カ月連続減少、名目0・5%減少=13カ月振り減少)となった。
4月のゴルフ関係消費支出(二人以上世帯)は、ゴルフプレー料金の購入頻度が100世帯当たり17回(前年同月11回)で54・5%の大幅増加、1世帯当たり支出平均は1058円(730円)で44・9%の大幅増加となった。頻度は4カ月連続増加、プレー支出は9カ月連続増加だ。
3月は、頻度及び消費金額が〝事件レベル〟と表現したが、異次元レベルが継続した。頻度は3月の記録を更新、支出平均は2カ月連続で千円の大台を突き抜けた。
しかも、ゴルフプレーは各年代とも頻度、消費額が大幅に増加。頻度は60代が35回(20回)で3月の33回を上回りトップで75・0%増加した。70歳以上19回(14回)で35・7%増、50代12回(10回)で20・0%増、29歳以下が9回(4回)で125・0%の大幅増、40代7回(3回)で133・3%増、30代4回(2回)で100・0%増加した。
プレー消費支出では60代1921円で3月の2279円を下回ったものの前年同月比では43・8%増であり、29歳以下が1205円(51・4%増)で、70歳以上1183円(27・9%増)を消費支出額で上回る歴史的な数値を記録。以下、各年代とも大幅増加となった。29歳以下は、他の年代よりプレー単価が高い。29歳以下の年間プレー支出額は21年が2480円で2010年以降最多だった。4月は1カ月間でその半分に達し1~4月累計は2292円となり、次に多い12年の2216円をすでに上回った。
一方、ゴルフ用具への消費に関しては、購入頻度は100世帯当たり1回(1回)、1世帯当たり支出平均は103円(106円)で2・8%減と4カ月振りに減少した。年代別では60代が303円(260円)と群を抜き、次に50代135円、29歳以下は52円で前年のゼロから急増した。また70歳以上は36円と少ないながら140%増加した。
コロナ禍の落ち込みから回復してきた一般消費は、対前年同期比でマイナスとなる月も増えるなど、通常期に戻りつつある。しかも、コロナ禍の行動規制が緩和され、昨年からマイナスが目立っているゴルフ練習場同様に、ゴルフプレーへの影響が懸念された。今回の家計調査は、ゴルフブームの到来を錯覚しかねないデータとなっている。