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2023.09.26
2023/9/26 白浜ゴルフ倶楽部(和歌山)老舗の復活を目指すと

昨年7月25日に和歌山地裁へ民事再生法の適用を申請した、白浜ゴルフ倶楽部(18ホール、和歌山県西牟婁郡)を経営する白浜開発㈱は、今年3月10日付けで会員を含む債権者の過半数の同意を得て、民事再生計画が認可決定、4月6日に民事再生計画認可決定確定となり、スポンサーの下での再出発を図っている。
同倶楽部は、関西の有名観光地の白浜に川奈のようなゴルフ場を造ろうと地元の財界や県も関わり建設、県内で最も歴史のある昭和31年8月開場のゴルフ場であった。しかし、バブル崩壊後の長引く景気の低迷とゴルフ人口の減少で低迷、東日本大震災のあった2011年同期は台風被害もあり来場者数は約2万1000人まで減少。さらにコロナ禍や会員の高齢化、それに運営収支がトントンでキャッシュフローが生まれない状況から、スポンサー支援の下、民事再生で再建を図ることにしたもの。負債は債権者約490名に対し約9億5700万円で、申請代理人は片岡牧弁護士(堂島法律事務所、大阪市中央区)ほか1名となっていた。

スポンサー先は和歌山県田辺市で、ホテルささゆり、ホテルやまゆり、ホテルひめゆりと西日本最大の大露天風呂を運営している㈱わたらせ温泉(疋田耕造代表取締役、大阪府堺市)。コーナングループとして、ラ・グレースGC(18ホール、和歌山県日高郡印南町)やロイヤル高松CC(同、香川県)も同じグループであり、ホームセンター大手のコーナン商事㈱(大阪市、本店=堺市、東証プライム)は関連会社。白浜開発㈱は4月14日付けで、疋田耕造氏と娘の西洞院満寿美氏が代表取締役に就任した。
白浜開発㈱の民事再生計画は、債権額の75%をカットし、債権者に一律25%弁済するもの。会員は弁済を受けると預託金がなくなり、いわゆるプレー会員となった。現在会員数は準会員を含め約700名としている。現在、終身正会員を入会金のみの33万円(税込み)、60人限定で募集中。年会費は3・3万円。

同倶楽部関係者は「カート道路の改修を含めコースやクラブハウスのあらゆるところに投資が必要。昔あったアリソンバンカーなどは難しいので現実的ではないが、コウライグリーンなど好評な部分も多いので、オリジナルの設計に戻すような形で改修を行う。〝(東の川奈)西の白浜〟と呼ばれるように老舗の復活を目指しています」と期待しているという。
またクラブハウスのレストランからは白浜のメインビーチ白良浜が一望でき、天然の温泉を引き入れていることも倶楽部の〝売り〟で、南紀白浜空港から車で約5分と東京等からの利用客も呼び込みたいとしている。

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「ゴルフ特信」第6953号より一部抜粋

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