2023.11.29
2023/11/29 猛暑で来場者減に経費面圧迫などで現状DIは大幅下落
内閣府は8日、『景気ウォッチャー調査』の令和5年7月調査の結果を公表した。
北海道から沖縄までの全12地域で『現状判断』に回答したゴルフ場関係者は6地域(6月5地域)計9人(9人)で最高評価の〝良くなっている〟は0人(1人)、〝やや良くなっている〟は0人(1人)、〝変わらない〟は4人(5人)、〝やや悪くなっている〟は2人(2人)、〝悪くなっている〟は3人(0人)。現状判断DIを独自に算出すると、令和5年7月は27・8で、前月の52・8に比べ25・0ポイント(以下、P)も下落した。2カ月振りの下落で、DI20台は1年前の令和4年7月以来となっている。
7月は、天候不順による来場者減の影響が大きく、「日中に来場する客が通常の3分の2まで減っている。特にシニア層の減少が大きい」(南関東地域、経営者、悪くなっている)、「連日続く猛暑の影響で、来場者数が3カ月前と比べて13%近くも減っている」(同、同、同)、「7月上旬は豪雨によりキャンセルが増加したため、来場者は減少している」(中国地域、営業担当、変わらない)などという理由から〝悪くなっている〟〝やや悪くなっている〟との厳しい現状判断が多かった。猛暑は関東圏で特に大きなダメージだったようで、南関東地域のウォッチャー(従業員)は、「都心に近いゴルフ場では、この夏の酷暑で来場者数が激減している。命に関わる暑さであれば、手の打ちようがない」と説明するほどだった。先に来場者数が3カ月前比13%減としたウォッチャーは、来場者減に加え「電気料金の値上げもあり、空調や照明で使用電力量も増えているため、経費面でも経営が圧迫されている」とも言及している。
一方、『先行き判断』は6地域(6月5地域)計10人(11人)が回答。〝良くなる〟は0人(0人)、〝やや良くなる〟は3人(3人)、〝変わらない〟は2人(4人)、〝やや悪くなる〟2人(1人)、〝悪くなる〟は3人(3人)。先行きDIは37・5と前月の40・9に比べ3・4Pの下落で、2カ月連続の下落となっている。
先行きでも、「エネルギー価格の上昇、賃上げ、修繕部材や修繕費用の高騰により、今期は営業赤字となる見込み」(南関東地域、経営者、悪くなる)、「コロナ禍を脱し、ゴルフから他のレジャーに移る懸念がある」(北関東地域、従業員、やや悪くなる)などゴルフ場を取り巻く現状の厳しさから明るい先行きが見出せず、〝悪い〟判断に傾いてしまっている。その一方で「10月以降はゴルフシーズンとなり、入場者数はそこそこ安定する」(東海地域、支配人、やや良くなる)、「10~12月のオンシーズンの予約数が前年より増えている」(中国地域、営業担当、やや良くなる)とプレー予約については好調のようだ。
なお、業種全般の令和5年7月DI(原数値)は現状が54・1で前月比0・5P上昇、先行きが53・0で同0・6P下落となっている。