2024.02.05
2024/2/5 星野リゾートの新コンセプト「その瞬間の特等席へ。」
国内外で68の宿泊施設を運営する星野リゾート(長野県佐久郡軽井沢町)は、10月12日にオンライン記者会見を開き、今後の開業情報や観光市場の見通しを発表した。
星野佳路代表は、コロナ禍で落ち込んだ観光需要は戻りつつあるものの、インバウンド回復は7割程度とし、国内需要が観光市場全体の85%を占めることから、インバウンド依存ではなく国内旅行の魅力発信が重要だと述べた。また、過度な入込客数重視はプロダクトライフサイクルといって一時のブームが去ってお客様の満足度低下、ブランド価値が落ちることにつながるため、従来から唱える事業者、旅行者、地域コミュニティそれぞれがフェアなリターンが得られるステークホルダーツーリズムの協力関係構築が必要と指摘。同リゾートでは、山口県の長門湯本温泉で地域と連携し温泉街の再生に取り組んでおり、地域の人達とマスタープランを作る取組みは北海道弟子屈町、福井県や山口県下関市にも拡がったという。
また星野リゾートの新たなコンセプトとして「その瞬間の特等席へ。」を発表。各施設が独創的なテーマで、圧倒的非日常を提供する「星のや」。各施設では、その地の風土、歴史、文化をおもてなしに繊細に織り込み、出合った季節にしか味わえない最高の瞬間を体験していただくことで、訪れた人を日々の時間の流れから解き放つという。
星野代表は、「もう一つの日本」をコンセプトとして掲げてきたが、日本のおもてなしは「二十四節気七十二候」と1年を72の小さな季節に分け、一つ一つが変化する微差を感じることができる能力に立脚していると分析し、日本の旅の演出は北海道から沖縄まで緯度経度が変化することによる風景や文化の微差を地域の魅力として表現する能力でもある。横軸に時間軸、縦軸に空間軸を取り、それぞれの点に唯一無二の貴重な瞬間がある。それを愛(め)でる特等席をご用意してお待ちしています。それこそが星のやが取り組んできたことであり、日本ならではのおもてなしであるということに改めて気付かされました、と述べている。
なお、星野リゾートの2024年は「街ナカ」ホテルの「OMO」は4月に「OMO5東京五反田」開業、6月に「OMO7高知」リニューアル、夏に北海道・函館市に進出予定。温泉旅館「界」は4月に「界 秋保」(宮城県初進出)、秋に「界 奥飛騨」(岐阜県)が誕生する予定。星野リゾートが福島県で運営するスキー場「アルツ磐梯」と「猫魔スキー場」は、今シーズンより連結リフトでつながり、「星野リゾート ネコマ マウンテン」として生まれ変わり、11月からCMも放送される。
星野リゾートの2024年旅のトレンドは、「温泉×グルメ」や「絶景×体験」など複数の要素を旅に求めていることから、一回の旅行に様々な要素を含めた貪欲な旅が求められる「旅は貪欲」だと予測している。