2024.06.28
2024/6/28 23年ゴルフ場動態統計、11年振り年間客単価1万円超え
経済産業省は先ごろ、「特定サービス産業動態統計」の2023年12月分と23年年間の確報を発表した。
それによると、12月は本紙7048号既報の速報分から修正され、同月のゴルフ場(経済産業局所在の8都道府県のゴルフ場)の利用者数は70万1772人(速報時70万176人)で前年同月比4・6%の増加(4・4%増)となり、2カ月振りの増加。一方売上高は74億9400万円(75億03百万円)で前年同月比6・0%の増加(6・2%増)となり、2カ月連続の増加。利用者数が増加し、売上高が下方修正された。これにより、12月ゴルフ場客単価は1万679円(1万716円)と若干下方修正となり、コロナ前に最高額を記録した2019年11月の1万703円には及ばなかったが、23年11月の1万636円は上回り、コロナ禍後は最高額となった。
23年年間の動態統計が確定し、2023年(対象は経済産業局所在の8都道府県のゴルフ場)のゴルフ場利用者数は1039万8457人で前年比1・1%減少し、コロナ禍初期で減少した2020年以来の3年振りの減少となった。一方で売上高は1046億96百万円で2・2%増加し、3年連続の増加となった。
年間利用者数の内訳は、平日が会員2・0%減、非会員0・5%増、土・日祝日が会員4・4%減、非会員1・1%減。利用者数トータルでは会員が3・4%減、非会員は0・1%の減少となった。新型コロナ感染症が落ち着き、日常生活が正常化に向かったことで、消費者の活動も多様化し、会員のホームコース一極集中が拡散したが、非会員の利用者数が落ち込まなかったことで、根強いプレーニーズを反映した結果となった。
売上高の内訳では利用料金収入が3・2%の増加(平日4・6%増、土・日祝日1・8%増)、キャディフィは6・9%減、食堂・売店(直営)が5・6%増となった。食料や光熱費などの物価上昇、キャディ不足も反映した形となっている。
18ホール換算で見ると、23年の売上高は4億40万円で前年比2・2%増、コロナ禍前の2019年比較では14・1%の増加となった。コロナ禍でボトムとなった2020年との比較では27・0ポイント回復した。19年との比較で目立ったのは利用料金収入の増加で特に平日が27・2%増と目立った。これは主に利用者数の増加が反映されたものだ。その利用者数では会員が平日14・8%増、土・日祝日12・1%増と大差ないのに対して、非会員は平日16・8%増、土・日祝日2・5%増と利用料金の高い土・日祝日は伸び悩んだ形だ。
また23年年間の客単価は1万68円となり、前年から326円、3・3%上昇し、19年の9871円よりも198円、2・0%上回った。19年対比ではキャディ数やキャディフィを除いた数値が上回り、数値的にもコロナ禍を脱出したのが明らかになった。ちなみに本紙で集計した客単価を過去に遡ると2012年の1万72円以来の1万円超えとなった。また18ホール換算売上高は2007年や2008年とほぼ同等となった。
売上面で今後さらに回復を見せるのか、23年がピークとなるのか、注目されるところだ。