2024.07.11
2024/7/11 ゴルフ場と遊園地・テーマパーク比較で驚く結果に
ゴルフプレー料金、ゴルフ用具、遊園地入場・乗物代で家計収入や年代別で比べると、ゴルフ場と遊園地・テーマパークは、ここ10年で大きな特徴を形成していることがわかった。
まずゴルフ場と遊園地・テーマパークを比較してみると、遊園地・テーマパークの22年の市場規模は6910億円(レジャー白書2023)でゴルフ場に近く、23年動態統計により、さらにゴルフ場と近づいた。ちなみにレジャー白書によるゴルフ場の22年市場推定規模は9050億円であり、動態統計はほぼ9分の1程度の市場を集計していることになる。
次に家計調査で利用者の年代や世帯収入別に比較すると、遊園地他が50歳未満の特に若い年代と、収入の多い世帯で増えているのに対して、ゴルフ場は50歳以上の高齢者に消費額が多く、年間収入が少ない世帯の方の伸び率が高い。ゴルフプレー消費では23年に29歳以下の消費が異常なほど伸びたが、遊園地他も最大に伸びたのは29歳以下であった。遊園地他は10年前と比べて富裕世帯ほど消費額が伸びており29歳以下を含め若い年代の一部で収入増に伴う消費増加が推察できる。年間収入別で333万円未満は23年が遊園地他で1・3%減、10年前比では30・9%減少した。一方でゴルフプレーは同年収層でも42・7%増加、10年前比では60・2%増加している。
人気テーマパークは23年も含め毎年のように入場料を値上げしているが、人気は衰えず、利用者1人当たりの売上高は22年からゴルフ場をも上回った。
年齢で見るとゴルフ場と遊園地・テーマパークは、50歳を境に見事に対の補完関係にあることがわかる。少子高齢化が進む日本だが、遊園地・テーマパークを利用している若い年代がそのままゴルフプレーに転じることが起きれば、一気にゴルフ人口減問題が解決しやしないかと考えられる。こうして見ると、「ゴルフはお金がかかる」ことがゴルフ人口減少の最大要因ではないと考えられる。遊園地・テーマパーク的要素があれば、年々入場料が値上がりしても人気に拍車がかかっており、ゴルフ場が「大人の遊園地」になるようなマーケティング施策を講じることで、解決策が見えてくるかも知れない。