一季出版株式会社

2024.07.31
2024/7/31 コース参加率は70代がトップに復帰、増加は50代のみ

スポーツ庁は3月19日に発表した令和5年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」の性・年代別等の詳細集計結果を公表した。今回はゴルフに限らず、運動・スポーツ全般の実施率が低下した異例の結果となり、「ゴルフ(コースでのラウンド)」と「ゴルフ(練習場・シミュレーションゴルフ)」の年代性別集計も異例の結果が出ている。

令和5年11月調査における「ゴルフ(コースでのラウンド)」の実施率を確認すると全体5・5%(男性9・4%=1・6P減、女性1・6%=0・2P減)。推定人口は男性441万人(77・6万人減)、女性76万人(10・1万人減)と男性の落ち込みが大きかった。人口の女性比率は14・6%となり、男性人口減に伴い0・5P増加した。本紙推定ゴルフ人口は3年11月調査590万人(男性491万人、女性91万人)、2年11月630万人(546万人、87万人)、元年11月682万人(606万人、101万人)で5年調査は2年振り減少となった。
年代別にみると実施率と推定人口は、団塊の世代を含む70代が7・9%(0・6P減)129万人(10・4%減)でトップ、前年実施率トップだった60代(60~69歳を60代と省略)は7・3%(1・8P減)で参加率は2番目だが推定人口は108万人(20・5%減)で3番目。団塊ジュニアが含まれる50代は参加率が唯一0・2P増と増えて6・4%となり人口は6・2万人、5・7%増の115万人となり2番目となった。以下、40代4・5%(1・0P減)76万人(20・7%減)、30代3・7%(0・9P減)50万人(20・9%減)、20代3・0%(1・4P減)38万人(31・6%減)、18~19歳1・0%(同)2万人(同)となった。
参加率・人口とも増加したのは50代のみで、人口増減率では20代や60代、30代、40代の落ち込みが大きかった。

男性で参加率、参加人口とも増加したのは50代(参加率0・3P増の11・1%で5・1万人増の100万人)と18~19歳(0・3P増の1・4%で0・3万人増の2万人)。
女性は70代2・3%(0・2P増)20万人(9・0%増)がトップ、60代2・1%(0・6P減)16万人(23・0%減)で以下、実施順に紹介すると50代1・6%14万人、20代1・4%9万人、40代1・2%10万人、30代1・1%7万人、18~19歳0・6%1万人となり、参加率・人口とも増加したのは70代のみで、推定人口は40代、60代、20代の順で減少した。
全体的に参加率と参加人口を見ると、50代男性と70代女性が増えた程度でプラスの年代がかなり少なかった。
初又は久しぶりに再開したコース参加者は男性で0・3P上昇の2・8%、人口にして160万人となり、前年より18万人、12・7%増加した。60代4・1%、50代3・5%、70代3・0%と高齢者が高い。女性は0・5%で前年同様となり70代と18~19歳が増え、60代や20代は減少した。

参加率から、初又は久しぶりに再開した率を引いた継続者は、5年調査では3・8%、358万人で前年から1・1Pダウン、人口にして107万人、22・9%減となった。
同調査から見られる傾向としては、高齢者は健康志向も相まって、ゴルフを始めたり、再開する人が増えたことがうかがえるが、それにしてもコロナ禍の行動規制が緩和されたとしてもゴルフに限らず、運動・スポーツ全般の実施率が低下した異例な結果だったと言える。本来なら2025年問題が迫り70代の参加人口減少が目立つかと思いきや70代は再開が目立ち、他の年代の離脱が目立ったのだ。

運動頻度ではゴルフは、ウォーキング、トレーニングや体操などの軽度の運動ほど高くないが、スポーツ種目に入っている競技ではゴルフ(コース)は練習場よりも高い。友人や家族に勧められて始める比率は圧倒的に高くソーシャルなスポーツで、ゴルフ(コース)を実施している人は運動頻度が他のスポーツより高く、それらがゴルフ(コース)参加者において高齢者の存在が際立っている要因になっていると思われる。

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「ゴルフ特信」第7064号より一部抜粋

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